トピックス

【校長ブログ】生徒用トイレの光触媒抗菌コート施工(2021年02月17日)

昨年10月、さいたま市教育委員会は、ラフェスタリンク株式会社(屋号:氷川消毒)様と市立学校トイレの光触媒抗菌コート施工に関する協定を締結しました。ラフェスタリンク株式会社様が、コロナ禍における学校支援として小学校104校、中学校58校、高校3校、特別支援学校2校、中等教育学校1校のトイレに光触媒抗菌コートを社会貢献活動の一環としてボランティアで施工していただくというものです。

 本日2月17日、浦和南高校でラフェスタリンク株式会社(屋号:氷川消毒)様によって生徒用トイレの光触媒抗菌コート施工が行われました。光触媒は光が当たるとその表面で強力な酸化力が生まれ、接触してくる有機化合物や細菌などの有害物質を除去することができる環境浄化材料です。「脱臭」「抗菌」「防汚」に効果があり、施工後は汚れが付きにくくなり、臭いも浄化されます。光が弱い可視光でも効果を発揮し、銀イオンなどの成分でさらに効果が見込めます。浦和南高校では懸案であった生徒用トイレの洋式化工事が完了したところであり、ラフェスタリンク株式会社(屋号:氷川消毒)様に校長として深く感謝申し上げます。

【校長ブログ】改めて読む内田 樹さんの論評「最悪を想定しない国民性―危機管理と日本人―」(2021年02月16日)

昨日2月15日は新春の嵐のような風雨から夕方には晴れ上がり、私も久しぶりに虹を見ました。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が埼玉県では、12月7日以来の100人をきりました。少し古い新聞記事になりますが、昨年6月11日の埼玉新聞に掲載された内田 樹 神戸女学院大名誉教授の論評を再読しました。新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言が5月25日に解除され、6月から分散登校が始まったころの論評です。

内田樹氏は、危機管理とは、「もっとも明るい見通し」から「最悪の事態」まで何種類かの未来について、それに対応するシナリオを用意しておくことであると述べていますので紹介します。

 危機管理というのは、「最も明るい見通し」から「最悪の事態」まで何種類かの未来について、それに対応するシナリオを用意しておくことである。どれかのシナリオが「当たる」とそれ以外のシナリオは「外れる」。そのための準備はすべて無駄になる。そういう「無駄」が嫌だという人は危機管理には向かない。最悪の事態を想定し、そこに対して準備しておくことだ。儲けや効率を重視してそれを無視するといざ危機になった時に対応できない。そういう危機管理の基本がわかっていない人が決定を行うと大変なことになる。太平洋戦争中の戦争指導部はそうだった。「わが軍の作戦がすべて成功して、敵の作戦がすべて失敗すれば皇軍大勝利」という“希望的観測”だけで綴られた作戦を起案する参謀が重用され、「作戦が失敗した場合、被害を最小にするためにはどうしたらよいか」というタイプの参謀は遠ざけられた。

 太平洋戦争中の様々な資料を読むと、精神論を重視していた傾向を把握することができます。内田樹氏が大学在職中も、「これがダメだったらどうしますか?」というようなことを言って不興をかったことが何度もあったそうです。「君のような敗北主義者が敗北を呼び込むのだ」と怒鳴られたことがあるし、もう少し穏やかに「人はこれから次第に状況が悪くなるという話をすると気がめいってきて、頭が働かなくなるのだ」と説明されたことがあるそうです。

 私も、「最悪の事態にどう対応するのか?」と言うと、「言霊になってしまうので言わないでください」と言われたことが度々あります。“言霊(ことだま)”で忌諱するのは国民性と言ってよいかもしれません。“言霊”とは、古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な力のことで、発した言葉どおりの結果を現す力があると信じられていました。新学習指導要領では、「現代文」という科目がなくなり、「論理国語」と「文学国語」という科目が登場します。私は、高校生にとっては「論理国語」も「文学国語」も大切だと思います。2年生以降の選択科目が「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」になることで、それぞれの科目の役割が明確になってきます。人気予備校講師で広島女学院大学客員教授でもある出口 汪さんは、論理力を修得しない限り、文学作品や古文、漢文の読解、鑑賞も、国語表現も大きな効果が期待できないと言っています。私もデジタル化が急速に進む現代社会だからこそ言語力が重要だと思います。

 新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るっています。感染者は世界中で1億人をこえ、亡くなった方は240万人をこえ、日本でも感染者は41万人をこえ、亡くなった方は7千人をこえています。日本では、新型コロナウイルス感染拡大防止のために緊急事態宣言が発令され、2月2日には3月7日まで延長されました。まさに、伝える力を含めた危機管理への認識が求められていると思います。

【校長ブログ】『枕草子』(2021年02月14日)

2月12日、浦和南高校の校内研究授業がありました。開米耕平教諭による1年生の「国語総合」の授業です。内容は高校教科書で必ず取り上げられる『枕草子』の「雪のいと高う降りたるを」(299段)でした。1年生対象に清少納言と中宮定子との知的な会話を実感させることを目的とした授業でした。

この作品は平安時代の中期、1001年頃に成立したと言われる古典の代表作。高校の授業で誰もが触れるこの作品を改めて読んでみると、あらたな発見がたくさんあります。まず「春は、曙」(第1段)ではじまる第一段の素晴らしい内容と文体。およそ400字の中に日本の四季が見事に表現されています。清少納言の文才はもちろん、昔、紙が貴重だったからこそ、これほどまでに研ぎ澄まされた文章が書けたのではと感じさせます。「枕草子」の無駄のない言葉は、何度読んでも名文だと感じます。「枕草子」を書いた清少納言という女性。その生涯などはわからない部分も多いようです。しかし「枕草子」を読むだけでそのキャラクターが伝わってきます。美意識の高さ、観察力のするどさ、いさぎよさ。特に興味深いのは女性の生き方に対する美学。第21段にこんな内容を残しています。「ただ一途に夫にすがって、いつわりの幸せに安住している女はばかみたい」。それは1000年前とは思えない価値観。時代はどんなに移っても、人間の精神は変わらないことも「枕草子」は教えてくれます。今で言うなら雑誌の人気コラムのような内容です。古典は敷居が高いと思わず、気軽に読み始めてみるといいのでは。

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